嫁姑関係の変化

エッセイ

私のお姑さんは比較的若いとき旦那を生んでいるので、知り合ったときは40代半ばとまだ若かった。

そのせいか息子の嫁に求めるものも高かったし、親目線というより女目線で見られていた。

「お化粧してないの?」

「その格好しか持ってないの?」

結婚前から旦那の家に行くとよく言われた。

別にいいじゃん! 何か迷惑かけてる⁉

体育会系の私は仕事以外では化粧もせず、着るものはジーンズなどラフなものばかり。

普段から綺麗に化粧をし、ネイルや貴金属で着飾っている姑とは合うわけがない!

態度に対しても、「もっと愛想よく笑え」「元気よく挨拶しろ」となにかにつけて指図された。

そんな姑に反論できずに苦笑いでかわす…要は、姑にはずーっと頭が上がらなかった。

正直、姑が嫌いだった。

でも『嫁』だから我慢していた。

それが当たり前の時代だったと思う。

テレビ番組で嫁姑問題なんかを見ていた時、(そういえば、其の手の番組も今はないね)

「ひっどい嫁だなぁ~、うちは仲良くてよかった!」と夫が言った。

私はビックリして、それからガッカリした。

マジで言ってる? そう思ってたの?

親子そろって、私の置かれてる立場が当たり前と思って見ていたんだ。

「私が我慢しているんだよ。世の中の90%以上の嫁が出来ることなら姑とは付き合いたくないって思ってるよ」

「んなわけないだろう~大袈裟な!(夫)」

まさか自分の親は嫌われるようなことはないって?

周りの人に聞いてみろ!私の方が正解だから。

姑が還暦に突入したあたりから、徐々に姑との上下関係の差が縮まってきた。

自分もそうだけど、歳をとると今まで楽にできたことが大変に感じることが出てくるからね。

正月やら家族での食事会やら、私が主導権を握ることが増えていく。

さらに後期高齢者に突入するころになると、姑は時代についていけなくなっていった。

スマホ、PC、キャッシュレス、ポイント制度、セルフレジ、それから行政からのお知らせ etc.…

分からない、出来ない、が増える。

認知症も出てきた。

それなのに、姑の気持ちや態度は昔のまま。

もう私の手を借りないと生活できないんだよ⁉

『老いては子に従え』って言葉しらない?

『感謝』ってしらない?

義母は独語がひどい。

自分の部屋で、まるで他人に聞いてくれと話しているように大声で私の悪口を言っている。

怒りが爆発した! 部屋に駆け込み怒鳴りまくった! 罵倒した!

生きてきた中で、これほど、姑ほど私を怒らせた人はいない(笑)

頭に来たことぶつけ、言い返されたらさらに理屈で攻め、言い返せなくなるまでとことん詰め寄った。

認知症でもある姑に我ながら酷いと思ったけど、このままでは自分が壊れてしまいそうだった。

嫁は家政婦ですか?

息子の家庭は、あなたのものとは違うんです。

私にも私の生活があるんだ!

一人で暮らせなくなった姑との同居は、私の生活を壊し一変させた。

それが悔しくて、腹が立って、夫を恨んで、自分の選択を後悔して…

姑に言われた。

「こんな子だとは思わなかった!」

きっと従順で大人しい世間知らずの子とでも思ってたんでしょ(笑)

自分の気持ちを吐き出してから少し楽になった。

良い嫁、良い妻を捨てたとき、すごく楽になった。

子供が独立した今、怖いものなんてない。

鬼嫁だろうと悪妻だろうと嫌な人だといわれようと、もうどうでもいいわ!

これからは私の方が仕切り役。

姑は不満でしょうね。

でも自分で自分のこと出来ないんだもの仕方ないでしょ?

我慢して私の指示にしたがってください!

言いたいことを口にすることが苦手な私だったが、姑に切れたおかげでどうやらそれを克服できたみたいだ。

私には結婚適齢期のふたりの息子がいる。

まだ彼女すらいないけど、自分が姑になった時どんな関係が築けるだろうか。

嫁と仲良く出来るように…なんて考えない。

だって好かれるはずないもの、絶対無理だから。

でもいずれ歳をとれば、子供たちの助けが必要となる日が必ずやってくる。

その時には出来るだけ子供たちに迷惑をかけないようにしたい。

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